コーティング(ガラスコーティング)では、ボディの塗装にいかに密着させるかがカギとなります。
どのようにボディをコーティングするのか?
読者のみなさんは、どのようにコーティング剤をボディに定着させているのかごぞんじでしょうか?コーティングは、溶剤を架橋技術という技術によってボディに定着させます。架橋技術とはポリマーやガラス(コーティング剤)と、塗膜の間に向けて、つなぎとなる成分を配合させるというものです。具体的なことは各メーカーの独自のノウハウに基づき、企業秘密になるためご紹介することはできませんが、簡単に言うと、ガラスやポリマーなどのコート剤とボディとをつなぐ接着剤を、コーティング剤に配合させているということです。
イオンを使ったコーティング
またコーティングには、イオンを利用する方法もあります。イオンは分子の持つプラスとマイナスの性質を使用した磁石のようなもので、とてもわかりやすいものかと思います。これを車に応用する場合は、塗装面そのものはマイナス、コーティング剤をプラスとすることで張り付かせ、定着させるです。イオンの原理はコーティング以外にもエンジンオイルなどにも用いられ、油膜をエンジンの内部にきっちりと吸着させるのにも利用されています。
コーティングは化学の力でコートする
どちらも化学的に定着させるのが、コーティングの大きな特徴であり、化学的に定着させることで、硬い皮膜ができ、長時間の保持ができるのです。従来の固形のワックスは、簡単に言えば塗装の表面に乗っかっているだけですので、成分や作用からしてコーティングとは根本的に大きく異なります。ただ、施工に時間がかかるコーティングと異なり、ワックスは手軽に施すことができます。どちらも一長一短ですので、選ぶ際にはきちんと特徴を把握・比較してから選択するようにしましょう。
コーティングの進化は止まらない
最近ではコーティング剤でありながら、ワックスのようなカルナバが配合されたもの(技術的にも問題ないもの)も出始めました。撥水や塗装の保護だけではなく、つや、光沢も求めるという場合にはカルナバ配合のものがおすすめです。
薄いながらも十分な効果を発揮するコーティング
コーティングによる皮膜は、非常に薄いものとなりますが、雨やホコリ・油などからボディを守るのには十分な効果が期待できます。
実はワックスよりも薄いコーティング被膜
ワックスと比べるとよくわかると思いますが、ワックスは皮膜の厚さが難点に挙げられ、厚さは数ミクロンあるとされています。それに比べ、コーティングではおおよそ被膜幅が1ミクロン前後。なんとコーティングの被膜はワックスよりも薄いのです。ミクロンとは1ミリの1000分の1の単位ですので、コーティングの膜を目で見て確認するためには、電子顕微鏡を用いる必要があります。
コーティングの厚塗りはできない
「コーティングはそんなに薄いの?」
「本当に大丈夫か不安…」
「何度かコーティング剤を塗ったほうが良いのでは?」
とお感じになる方も多いかもしれませんが、それは誤りです。
なぜなら、コーティングは重ねて塗っても、上塗りした皮膜は溶けてしまうため、厚くならないのです。
コーティング剤+溶剤
コーティングにはもともと、溶剤という成分が含まれています。コーティングの皮膜硬化は、ボディに塗ったコート剤の溶剤が乾燥により飛んでいくことで起こる現象。つまり、コーティングしたその上に、新たにコーティング剤を塗っても、せっかく乾燥した状態が元に戻り、皮膜が溶けて行ってしまうのです。だから、その状態で乾燥させたとしても、結局は上塗りする前の厚さにしかならないということなんですね。
重ね塗りができないコーティング剤
コーティング剤の多くは、塗布後、乾燥させて一度拭きあげるのですが、乾ききっていない生乾きの状態で拭くと溶剤が残っているため、定着しかけていた皮膜も一緒にふき取られてしまいます。つまり「溶剤」だけを拭き取ることはできないということ。
ワックスの上塗りを施工中のコート面に施すのもNG
さらに、コーティングを二度塗りするというだけではなく、コーティングの上に固形ワックスをかけるというのもNGです。艶や光沢をより出したいからと言ってコーティングの上にワックスをかけると、固形ワックスに含まれた油分によってコーティングの皮膜が溶けてしまいます。
コーティング専門店のアドバイスを聞こう
コーティング艶や光沢をより際立たせたいという思いは理解できますが、コーティングの二度塗り、三度塗りをしても意味がありません。コーティングには定期的なメンテナンスが必要であり、ボディを輝かせるためには、コーティング専門店のアドバイスをきちんと守り、定期的なメンテナンスを行う必要があります。コーティングを定期的に継続していくことは、結果的にボディや愛車の寿命を保つことにつながります。