コーティング

コーティング後の車にワックスを使っても大丈夫?

カー用品店に行くと、いろんなメーカーのコーティング商品が販売されています。
そうした商品を使えば、空いた時間を利用して自分でコーティングすることも可能です。

「車にコーティングしてあるから、ワックスは必要ないのでは?」という人もいれば、「コーティングをさらに輝かせたいからワックスを使いたい!」という人もいます。

ここで問題なのが、コーティングした後のワックス使用は大丈夫なのかという点。
コーティング後のワックス使用における、メリットとデメリットを紹介します。

コーティングの補助役としてワックスを併用する

コーティングが登場する前、ボディの保護と艶出しの主役はワックスでした。
日本では1950年代の後半から販売されています。
主役こそ譲ったものの、今でも進化したワックスが各種販売されています。

ワックスのメリットは保護や艶出しがDIYで作業でき、予算に応じて製品を選べること。

デメリットは、品質の良いワックスになるほど手間がかかることです。
このデメリットが、コーティングに主役を譲った大きな要因。
またコーティングに比べて持続性が短いこともウィークポイントでした。

とはいうものの、コーティングしていない車にとってワックスは効果絶大。
しかも最近ではコーティングしてある車でもワックスのニーズが高まりつつあります。
ワックスの併用でコーティングを保護することが目的ですね。

補助役として注目を集めていますが、使用する際には十分な注意が必要です。
誤った使用はコーティングにダメージを与える場合もあるのです。

ワックスはコーティング専用を使う

注意する最初のポイントは、使用するワックスの種類。
前述したように、ワックスはいろいろな種類が販売されています。
コーティングしていなければ選び放題。

しかし、コーティング後にワックスを塗るなら、コーティング専用タイプを使いましょう。
一般的なワックスには撥水性や艶出しに効果が大きい石油系溶剤が含まれています。
これは、コーティングの大敵。

石油系溶剤は紫外線に弱いのです。
熱によって劣化したワックスが、コーティングにまでダメージを与えてしまいます。
もちろん専用ワックスに石油系溶剤は含まれていません。

それから、コンパウンドの入った半練りや液状タイプも避けた方が賢明。
コンパウンド、つまり研磨剤でコーティングを削るのは避けたいですね。

種類の次はワックスを使用するタイミング。
市販コーティング剤は、プロ施工のように完全硬化型の溶剤を使っていません。
したがって最初に使用する際は、コーティング後最低1ヶ月ぐらい期間を開けてください。

未乾燥のままワックスを塗ると、せっかくのコーティングにムラが発生する場合があります。
プロの施工であればコーティングはしっかり乾燥しています。
だからといって、すぐにワックスの使用は禁物。
予め、スタッフに使用するタイミングを教えてもらった方が無難ですね。

なお、ワックスは目立たない場所へ少し塗り、変色がないことを確認しましょう。

ワックス使用のメリットは劣化を軽減させること

コーティングの後からでも注意すればワックスを使うことができます。
気になるのは、わざわざコーティングしたのになぜワックスを塗るのか、という点。
手間がかかるので、メリットがなければ作業する意味がありませんよね。

プロにコーティング施工を依頼すれば、ボディはピカピカの状態を長く維持できます。
ワックスは必ず必要、というわけではありません。

でも、プロによる施工でもわずかに劣化していきます。
コーティング後のワックス使用は、この劣化を軽減できることが大きなメリット。
ボディにできるイオンデポジットやウォータースポットの発生も防げますね。

劣化を感じ始めた時こそ、ワックス使用の最適な時。
コーティング直後のようなツヤを取り戻しましょう。

汚れやすいことがワックス使用の大きなのデメリット

コーティング後のワックス使用は、メリットもあればデメリットもあります。

ワックスはコーティング専用であっても油分を含んでいます。
ワックス使用後は、大気中のホコリやチリ、雨粒の汚れが付着しやすい状態です。
使用直後の表面はツルツル、すべすべですが「少し風が吹いただけでザラザラになった」という経験は誰でもあるはず。

この汚れが雨や洗車によって、油分を含んだまま流れ落ちると、フロントガラスはギラギラになり、白いボディには黒い水垢ができる原因に。
ワックスを使うと汚れやすい、と想定しておきましょう。

もうひとつのデメリットは手間がかかること。
ワックス使用前に、ボディの洗車を徹底的に行わないと、汚れを封じ込めることになります。
ボディシャンプーで、汚れと古いワックス膜をしっかり落とさなければなりません。

それからボディ全体への均一なワックス塗布に拭き取りの作業になるので、相当な時間を要しますね。
しかも、拭き残しの部分を放置すると白く固まってしまい、除去が大変です。
エンブレムの周囲やチリ(ボディの繋ぎ目)に拭き残しがあると、かなり目立ちます。

ワックスの持続期間は製品によって違いはあるものの、最長でも6ヶ月ほど。
メリットとデメリットを考慮し、自分のカーライフに合わせてワックス使用を検討しましょう。