コーティング

ガラス系コーティングとは?ガラスコーティングとの違いは何?

ボディの塗装を守るアイテムとして人気が定着してきたコーティング剤。
その種類はあまりに多く、品質も玉石混交で選ぶのに迷ってしまいますね。
中でも分かりにくいのがガラス系コーティングとガラスコーティングの違い。
どのように異なるのか、メリットとデメリットも含めて説明しましょう。

主原料や作業工程が異なる3種類のコーティング

コーティング類の中で現在、もっとも進化した形がガラスコーティングです。
ただし、その施工はけっしてカンタンではないのでプロに依頼するのが一般的。

一方、ガラス系コーティング剤は手軽で、DIYでも作業できる特徴があります。
同じガラスを成分としているなら、手軽な方が良い、とは誰でも考えること。
でも、同じ成分で同じ効果だったらプロに依頼する意味がありませんよね。

この違い、コーティング剤の種類について知っておいた方が理解しやすいでしょう。
コーティング剤には以下のような種類があります。

ワックス

コーティング剤の元祖であり、その深い艶は今も根強い人気があります。
主な原料は油脂。
高級タイプは天然樹脂のカルナバロウ、一般的なタイプはパラフィンを使用しています。
塗り込みや拭き取りをしやすいように石油系溶剤を混ぜています。

メリットはDIYで作業できること。
高級タイプを使えばしっとりとした深い艶を出すことができます。

デメリットは塗り込みや拭き取りに手間がかかること。
持続性が短く、効果は1〜3ヶ月程度です。

ポリマーコーティング剤

小さな分子を結合させた合成樹脂。
石油系溶剤の液体で、金属に密着すると薄い被膜を作ります。
主な原料はフッ素やシリコン、ケイ素化合物など。

メリットはDIYで作業できること、しかもワックスより塗り込みや拭き取りがカンタンです。

デメリットはワックスのような艶は期待できないこと。
持続性はワックスより長いけれど一般的なタイプの場合は約3ヶ月、高級タイプでも半年です。

ガラスコーティング

主な原料はシランやシロキサンなどの重合体で、石油系溶剤は含まれていません。
空気に触れると硬化するのでボディへ被膜を作る際には技術的なスキルが必要です。
ガラスを作る成分が主な原料のため、ガラスコーティングと呼ばれています。

特徴は被膜が硬いこと。
小傷がつきにくく、汚れも落としやすいといったメリットがあります。
もうひとつのメリットは持続性が格段に長いこと。
保管場所や方法にもよりますが、一般的には約3年といわれています。

デメリットは他のコーティング剤に比べて費用が高いことです。

これらの中に、ガラス系コーティング剤の項目がありませんよね?
じつはガラス系と称するコーティング剤、ポリマー系の一種なのです。

水溶性が特徴のガラス系コーティング

ポリマーコーティング剤はメーカーや製品によって、成分に若干の違いがあります。
ガラス系と称しているコーティング剤の多くにはケイ素化合物が含まれています。
ケイ素化合物はガラスの原料にもなることから、ガラス系と呼んでいるわけですね。

ただし、石油系溶剤の他に界面活性剤などで水溶性にしています。
手軽に扱えるのは水溶性のおかげ。
反面、被膜が硬化することはありません。
ガラス系だからとくに優れている、ということはなく他のポリマー系と同じです。
かなり紛らわしいですね。

現在、コーティング剤には含有成分における名称の規定がありません。
だから少しでもガラス関連の成分が入っていれば、メーカーはガラス系と称しているのです。
ガラス系とネーミングしたがるのは、それだけガラスコーティングが優れているから。
もちろん、ガラス系でも良質なタイプはDIYでコーティングすることができます。

ただし、被膜が柔らかいので油脂を含んだブレーキダストなどの汚れは落ちにくくなります。
また水溶性なのでコーティングは雨や洗車で劣化します。
過度な期待は禁物。

硬い被膜が特徴のガラスコーティング

ガラスコーティングも化学分子の重合体ですが、溶剤が含まれていません。
これが被膜を硬化させる要因であり、ガラス系コーティング剤と大きく異なる点。

硬化した被膜は鉱石の硬度を測る基準、モース硬度で3〜4.5。
これはナイフの刃でようやく傷がつく硬さです。
最近では5.5まで高めたガラスコーティングも登場しました。

硬化した被膜のメリットはいくつもあります。
まず、小傷がつきにくいこと。
柔らかい被膜では小さな飛び石などによってすぐに傷がついてしまいます。
傷消しをするためにはコンパウンドなどで磨く手間が必要。
ガラスコーティングであれば傷消しの労力を最小限に抑えることができます。

次に、油脂系の汚れが付着しにくいこと。
硬質で滑らかな表面は油脂系の汚れであっても専用洗剤を使えばカンタンに落とせます。
それから持続性が長いこと。
非水溶性なので被膜が流れ落ちません。
一般的なガラスコーティングは約3年、効果が持続するといわれています。

プロ施工の魅力は安心と徹底した下地処理

ガラス系コーティングと比較すれば、その性能の違いは一目瞭然ですね。
なお、ガラスコーティング剤はDIY用の市販品もあります。
ただし、すぐに硬化するので作業に慣れていない人は不向き。
プロのコーティング業者へ依頼した方が安心です。

プロに任せることのメリットは安心の他にもうひとつ。
面倒な下地処理を徹底的に行ってくれることです。

塗装が汚れていたり日焼けしていたりするとガラスコーティングの本領が発揮できません。
プロの下地処理は洗浄から鉄粉落とし、脱脂まで。
中古車であっても新車に近い塗装状態にし、鮮やかな輝きと深い艶を実現します。

もちろん、新車であれば下地処理は大幅に省かれるので料金も安くなります。
美しい仕上がりを求めるなら、プロ施工のガラスコーティングをおすすめします。