コーティングといえば「水を玉のように弾くのが特徴」と思っていませんか?
もちろん間違いではありませんが、正解でもありません。
水弾きが良い撥水性のほかに、水と馴染みやすい親水性があるのです。
親水コーティングの特徴や、他のコーティングとの違いを説明しましょう。
親水性は水が薄い膜になって広がる
「撥水」とは、水を弾くという意味。
対して「親水」は、水との親和性があるという意味があります。
まだ分かりにくいですね。
では親水コーティングに水をかけてみましょう。
撥水コーティングとは逆に、水が広がって流れ落ちていきます。
これが親水性と撥水性の大きな違い。
共通するのは水はけが良いこと。
親水性があるからといって、ボディに水が残ることはありません。
撥水性に比べると若干水はけは劣るものの、しっかりコーティングの効果を実感できます。
この2つ、見た目で分かりますが、区分しているのはボディと水滴の接触角度。
撥水性は接触角度が90度以上なのでコロコロした水玉になります。
対して親水性は40度以下。
同じ水量でも薄い膜になり、隣り合う水同士の分子が結合して広がっていくわけですね。
異なった性質になっているのは、それぞれにメリットとデメリットがあるからです。
撥水性の水玉を放置するのは要注意!
撥水性は細かい水玉ができるので、コーティングの存在感があります。
いかにも、コーティングしていますよ!という雰囲気を持っていますね。
実際、光沢も親水性に比べてメリハリが効いており、強いツヤ感があります。
ただし、水玉は小さくてもすべてボディから流れ落ちるわけではありません。
とくにボディにホコリが付着している場合や、雨上がりの時などは残りがち。
水玉をそのまま放置しておくと厄介な事態になります。
ひとつはイオンデポジットの発生。
雨上がりや洗車後に起きる現象です。
雨粒や水滴の水分が蒸発すると大気中の汚れカルキなどがボディに付着、シミを発生させます。
もうひとつはウォータースポット。
こちらは日差しが強い時に起きる現象。
水滴がレンズになって熱を集め、ボディに日焼け跡や凹凸を発生させます。
どちらもすぐにコーティング効果を失わせることはありません。
しかし、放置するほど修復は困難になります。
雨が降った後にすぐ拭き取りができる人、屋内の駐車場がある人向きのコーティングです。
おすすめのボディカラーは色が際立つレッドやイエローなど。
水滴跡が目立つブラックやミッドナイトブルーなども撥水性が適しています。
親水性は雨が汚れを落としてくれる
親水性は撥水性のように水玉ができず、薄く広がるのが特徴。
したがってイオンデポジットやウォータースポットの心配が軽減されます。
嬉しいことに、雨が降ると親水性のおかげでボディのホコリなどを落としてくれるんですよ。
また撥水性はサイドミラーにも細かな水滴をつけます。
雨の日は見にくくなりますが、親水性なら水の薄い膜になるのでミラーの視界が確保できます。
屋外に駐車場がある人、すぐに洗車できない人には最適ですね。
光沢は撥水性のようにメリハリはないものの、しっとりとした質感があります。
したがって水垢が目立つホワイト、淡いパール系などにおすすめです。
コーティングは親水性と撥水性のほかに疎水性があります。
接触角度が40〜90度なので水滴は親水性と撥水性の中間。
ただし性質は撥水とほぼ同じで、疎水には水との親和性が低いという意味があります。
最近のコーティングには超親水性とか超撥水性という用語も見られます。
どれも撥水性と親水性の発展型ですね。
コーティングに関しては、この2つの違いを覚えておけば十分、役に立ちます。
仕上がりの美しさと持続性を求めるならプロに依頼する
親水コーティングはDIYでも可能です。
カーショップに行けば、コーティング商品の中にいろいろなタイプが売られていますね。
価格はピンキリですが、手間をかける分、安上がりになるのは確実。
車いじりが好きな人、手先の起用な人にとってDIYは楽しい作業でしょう。
ただし、それほど車いじりが得意ではなく時間もない人は、プロに施工依頼した方が賢明。
コーティング作業は下処理や塗布の均一など難しい点が多くあります。
作業の最中に風が吹いてホコリや小石がついたらすぐに取り除かなければなりません。
塗りムラや塗残しがあるまま乾燥させると、光沢に差が生じます。
またDIYのコーティング持続性は一般的に3ヶ月から1年。
プロの施工は3〜5年です。
この違いは使用している溶剤と作業行程。
市販されている溶剤の中にもプロが使うガラス成分を含んでいるタイプがあります。
しかしポリマー系、つまり油分との混合であるため、硬度が低くなります。
一方、プロが使うのは完全硬化タイプのガラス溶剤。
さらに塗布後は硬度を高めるためにしっかりと乾燥させます。
DIYより施工価格は高めになりますが、手間や持続性を考えるとコスパはこっちが上。
仕上がりの美しさにも差が表れます。
自分のカーライフに合わせて親水性と撥水性のどちらを選ぶか決めましょう。
迷った時はスタッフに相談して的確な回答をもらってくださいね。