プロの施工によるガラスコーティングは、深い艶と美しい輝きが大きな魅力。
汚れにくい硬い被膜も特徴ですね。
とはいえ、走行中、屋外に駐車している間に必ず汚れが付着します。
正しい洗車方法で艶と輝きを長く保ちましょう。
滑らかな表面を作り上げるガラスコーティング
プロ施工とDIYの市販品によるコーティングの違い、それは含有成分と工程に大きな差があります。
プロ施工はガラスで硬い被膜を作ります。
市販品にもガラス成分が配合されているタイプはあります。
ただし、あくまで配分であって主成分はポリマーなどの樹脂。
その理由は、ガラスを主成分にすると硬化が早くなり、DIYに向いていないからです。
プロ施工はガラスコーティングをムラなく塗布した後、しっかり乾燥させます。
だから硬度が高く、しかも耐久性のある被膜が作られるのです。
無機質の硬い被膜は、樹脂の有機質に比べて汚れが付着しにくい性質を持っています。
滑らかな表面は摩擦係数が低くなり、水洗いだけで多少の汚れは滑り落ちてしまいます。
ステンレス製の滑り台と木製の滑り台の違いみたいなものですね。
でも、水洗いを疎かにするとボディに汚れやシミが残る場合があります。
たとえば鳥のフン。
酸性が強いのでコーティングを傷めてしまい、放置しておくとひび割れの原因になります。
それから雪の多い地域の融雪剤。
道路の凍結を防ぐためには不可欠ですが、これも酸性です。
雪道走行後は早めの洗車が必要です。
その他、ピッチ・タールや大気中の鉄分の付着なども厄介な汚れですね。
水洗いだけでは落ちない汚れがある場合は、コーティング専用のカーシャンプーを使いましょう。
洗車の際はコーティング専用の道具を使う
コーティング専用のカーシャンプーには研磨剤が含まれていません。
これが他のカーシャンプーと異なる点。
コーティングしていない車は汚れがこびりつくので、研磨剤含有の方が落ちやすくなります。
表面をわずかではあるけれど、研磨剤で削るわけですね。
これを使ったからといって、すぐに目立つ傷ができるわけではありません。
でも万全を期するなら、ノーコンパウンドを選んだ方が無難です。
カーシャンプーのベストは泡立ちが良いタイプ。
たっぷりの泡は、ボディと洗剤の間の潤滑効果を生み出します。
泡が多ければ、擦らずにやさしく洗車できますよ。
なお、同じスポンジを何度も使うと、表面に付着している油分でかえって汚す場合があります。
100均などの安いスポンジで、毎回新品を使うのもきれいに洗車する方法のひとつ。
1回使用ではもったいないと思うかもしれませんが、使用したスポンジはタイヤやホイールに使うことができます。
コーティングされていないホイールアーチ内部など、他にも使えるところがいっぱいあるので、ムダにはなりません。
洗車後の拭き取りは、マイクロファイバークロスがおすすめ。
コーティング表面を傷めることなく、水分をしっかり吸収してくれます。
ガラスコーティング車の洗車手順
コーティング車の洗車方法は、特別なコツが要るわけではありません。
普通の洗車とまったく同じです。
ただし、荒っぽい作業は厳禁。
ていねいな洗車を心がけましょう。
手順は以下のようになります。
1. ボディ全体に水をかけて洗い流す
最初はボディについたホコリやチリなどを水で洗い流すだけ。
いきなりスポンジやクロスで乾いたボディを擦ると、傷がつくこともあります。
全体に水をかけ、ボディに水を馴染ませましょう。
2. カーシャンプーの泡でボディ全体を覆う
カーシャンプーをたっぷり泡立てたら、その泡をスポンジに乗せます。
泡を擦りつけるのではなく、滑らせるようにして汚れを取ります。
泡をつける順序は高いところ、つまりルーフから。
続いてピラーやボンネット、それからドア、下回りの順です。
水で洗い流す時、ルーフから始めれば自然に下回りの泡まで落とせます。
鳥のフンは、水分を含ませて柔らかくしておきます。
その後、ティッシュなどで拭き取ってください。
3. ボディの水を拭き取る
最後に、クロスでボディに残っている水をしっかり拭き取ります。
クロスは予め濡らしておいた方がいいですね。
乾いたままでは、柔らかな生地でもヘアラインの傷がつく場合があります。
拭き方は、擦らず高い位置から低い位置に水を押し流すように。
最後の1滴まで拭き取りましょう。
最期の1滴まで拭き取るのはもちろん、理由があってのこと。
その理由とはウォータースポット。
水滴がレンズの働きをして日光を集め、コーティングに焼け跡を残してしまう現象です。
とくに暑い季節や日差しの強い時は、発生しやすくなります。
水が広がる親水性のコーティングは、それほど心配する必要はありません。
発生しやすいのは水玉を作る撥水性。
ウォータースポットができると、水洗いやカーシャンプーだけでは落ちません。
研磨剤が入っているコンパウンドで除去する必要があります。
これを発生させてしまったら、何のためにていねいな洗車しているのか分かりませんね。
洗車後だけでなく雨上がりの時にも注意。
水滴の拭き取りはこまめに行いたいものです。
洗車の頻度は?
洗車の頻度は定期的に行うよりも状況に応じた方が効果的です。
たとえば長距離ドライブをした後。
それから雨上がり。
乾燥して埃っぽい日が続いた後など。
コーティングにダメージを与える要素が重なった時こそ、洗車時です。
プロ施工によるガラスコーティングはこれまで説明したように汚れにくいことが特徴。
ダメージ要素がなければ2〜3週間毎の頻度で、十分に艶と輝きを維持できます。