車を長期間にわたり美しく保護してくれるガラスコーティング剤ですが、いくつか種類があります。
コーティングをする場合、その種類や特徴を事前に理解しておいたほうが良いです。
この記事では、車のコーティング剤はどんなものか、どんな種類があるかについて解説します。
また自分で行う場合の注意点と、プロに依頼する場合との違いについても詳しく説明しています。
車のガラスコーティング剤の種類と特徴
車のコーティング剤には、主に油脂系・樹脂系・ガラス系・ガラスの4種類があります。
車の保護効果が半年以上と最も長く持続するのが、ガラス系・ガラスコーティング剤です。
今回はガラス系コーティング剤とガラスコーティング剤について詳しく説明します。
ガラス系コーティング剤の特徴
ガラス系コーティングとは、コーティング剤の一部にガラスの成分が含まれているものです。
ガラス系コーティング剤は市販されていて、個人でも気軽にコーティングを行うことができます。
ガラス成分が含まれているため、コーティングが落ちにくく、車体の傷を防ぐ効果もあります。
一度コーティングすると、その効果は半年程度続きます。
注意点として、ガラス成分の含有率によりその効果に違いがあるため、ガラス成分の含有率をしっかりと確認してから購入しましょう。
ガラスコーティング剤の特徴
ガラス成分が主に含まれているコーティング剤が、ガラスコーティングです。
車体の上に密度の高いガラスの皮膜を張ることができ、コーティングが剥がれにくいのがメリットです。
車のコーティング剤の中で、最も性能が高く、耐久性があるのがガラスコーティング剤です。
紫外線や雨による汚れやダメージだけではなく、砂や小石による傷も防いでくれます。
そのため値段が高く、業者に依頼する場合は数万から数十万円の費用がかかります。
しかしその効果は1年以上と長期にわたり、車のメンテナンスが非常に楽になります。
どのガラスコーティング剤を選べばいいのか
本格的にガラスコーティングを行う場合は、撥水性・親水性・滑水性の違いについて理解しておくことが大切です。
撥水性ガラスコーティング剤
撥水性では、車体に水がついた時に水が玉になって転がるようにして弾きます。
一般的に人気があるコーティング方法ですが、水が残りやすいデメリットがあります。
水がつく場所によっては水が溜まってしまうため、雨染みや水垢ができることがあります。
普段屋内に駐車している方に向いているタイプです。
親水性ガラスコーティング剤
親水性では、水が広がるようにして流れ落ちます。
そのため、撥水性に比べて、水が残りにくい特徴があります。
屋根のない、青空駐車をしている方に向いています。
滑水性ガラスコーティング剤
滑水性では、水がついた時に流れ落ちるようにして水を弾きます。
水が真っ直ぐと下に流れ落ちるため、水垢ができにくいです。
屋内外、どちらに保管する場合にも向いています。
車体のカラーが濃い色の車に乗っている人や、あまり洗車をしない人に向いています。
ガラスコーティングの注意点と工程
ここからは、ガラスコーティングに必要な道具やその工程について解説していきます。
ガラスコーティングを行う場合、様々な道具を揃えなければならないのと、環境の整備や技術面でもいくつか注意点があります。
ガラスコーティングで必要な道具
ガラスコーティング剤の他に、以下の道具が必要です。
・コンパウンド
車体に使う研磨剤で、塗装面の細かな傷を平らします。
・鉄粉除去用シャンプー
車体に付いた鉄分が含まれたホコリを落とすためのシャンプーです。
普通の洗車では、落としきれない鉄の粉を落とすことができます。
また、鉄粉除去用粘土でも代用できます。
・脱脂剤
コーティングの結合の邪魔となる、車体の油分を落とすための道具です。
・ポリッシャー
こちらは必ず用意しなければならない道具ではありませんが、研磨の作業が楽になる機械です。
手でコンパウンドを塗るよりも、スピーディーに作業が終わります。
ガラスコーティングする最適な環境
ガラスコーティングをする場合、作業環境にも注意が必要です。
基本的には、屋根のある屋内が望ましいです。
なぜならせっかくコーティング剤を塗っても、風によってホコリや砂が飛んで付着してしまう可能性があるからです。
屋根つきの場所で行う場合は、なるべく風が弱い日を選びましょう。
また作業する気温や湿度も重要で、適した気温は15~25度以内、湿度は30~50%です。
ガラスコーティング剤は、気温によって乾燥しやすくなったり乾きにくくなったりします。
気温が高いと、塗りムラの原因となるので、注意が必要です。
ガラスコーティングの工程
道具を準備して環境を整えたら、作業に入ります。
順番にガラスコーティングの手順を説明していきます。
1. 車体の洗車と汚れの除去
まず水で車体の汚れを落とします。
落ちなかった汚れは、車専用のシャンプーを使って徹底的に落とします。
次に、普通の洗車では落ちない鉄が含まれたホコリを落とすために、鉄粉除去用シャンプーや粘土を使用して洗車します。
2. 拭き取り
洗車を行った後、水分や汚れを車用タオルで拭き取ります。
3. 車体を磨く
車体の水分を拭き取り、乾燥したらコンパウンド剤を使って磨きに入ります。
スポンジなどにコンパウンド剤を適量含ませて、少しずつ丁寧に磨いていきます。
塗り終わって乾いてきたコンパウンド剤は、車用タオルで拭き取ってください。
夏場は乾きやすいので、素早く行わなければなりません。
4. 油分を落とす脱脂作業
マイクロファイバークロスに脱脂剤をつけて、車体を拭きます。
コーティングを均一に仕上げ、ムラなく仕上げるために必要な作業です。
脱脂剤は強力な成分が含まれているため、取り扱いに注意してください。
炎天下では薬品が残ってシミになることもあるため、液体を直接かけないようにしましょう。
5. ガラスコーティング剤を塗る
再度汚れが付着しないよう、脱脂作業から時間を空けずにコーティング作業に入ります。
空気中の汚れが付着しないよう、屋外の場合は風のない作業環境にも注意が必要です。
専用のスポンジにガラスコーティング剤をつけて、ブロックごとに分けながら塗っていきます。
塗りムラができないよう、クロスを使って吹き上げます。
6. 塗り残しやムラがないか確認する
車体全体に塗り終えたら、塗り残しやムラがないかを確認します。
ライトで光を当てて確認すると、より見やすくなります。
最後の注意点ですが、コーティング後は12時間水に濡らさないようにしましょう。
自分で行う場合とプロとの違い
ここまで、ガラスコーティングの種類や特徴、具体的な手順と工程などについて説明しました。
ガラスコーティングを自分でやることの一番のメリットは、費用が安く済むことです。
プロの業者さんに頼むと、車体の大きさにより、数万から数十万円かかる費用を抑えることができます。
しかし事前に道具の準備や作業時間の確保、ある程度のスキルが必要となります。
そのうえ万が一ガラスコーティングの塗りムラが残って固まってしまった場合は、プロに依頼してコーティングを落としてもらう必要があります。
そういったリスクと作業の手間を考えると、コーティング専門店に依頼したほうが確実です。