コーティング

コーティングスプレーの特徴やメリットとは?

車のボディ保護の新しい定番と言えばコーティング。
DIY用も数多く出回っており、中でも人気を集めているのがスプレー式。
その豊富な数は、どれを選べばいいのか迷うほど。

今回はコーティングスプレーの特徴やメリット、デメリットを紹介します。

化学成分を使うのがコーティングの特徴

ボディを紫外線の悪影響から保護するアイテム、これまでの定番と言えばワックス。
その存在に代わって定着してきたのがコーティングですね。
一括にコーティングと言っても、その成分や種類はさまざま。
プロが施工するガラスコーティングから、DIYで手軽にできるスプレーまであります。

そこで疑問となるのが、ワックスとコーティングスプレーの違い。
もっとも、ワックスも保護剤でボディを包むので広義に言えばコーティングの一種です。
大きな違いは成分。
英語のWAXを日本語に訳すと蝋(ロウ)ですね。
これに油脂を混ぜたのがワックスの基本型で、主成分にはパラフィンが使われています。
パラフィンはロウソクの原料。
高級ワックスになるとブラジル産のロウ、カルナバロウが使われています。

一方、コーティングスプレーの成分は化学成分。
フッ素やシリコンなどポリマー系化学薬品を使っています。
この成分の違いがそのまま、作業手順や効果に表れています。

コーティングスプレーの持続性は3〜6ヶ月

ワックスはボディの上にロウを含んだ油脂を塗り込みます。
対して、コーティングスプレーは化学成分の分子をボディに吸着させます。
塗り込んだワックスは、洗車や雨によって流れ落ちてしまうのがデメリット。
フロントガラスに流れると、夜や雨の日にギラギラして運転にも支障が出ます。

一方、コーティングワックスは成分が吸着しているため、ワックスよりも持続性があります。
中にはフロントガラスをコーティングできるタイプも販売されていますね。

商品にもよりますが、3〜6ヶ月の持続性がひとつの特徴。
作業工程も、ワックスに比べて一般的なコーティングスプレーの方がラク。
基本はボディに噴霧し、乾いたら拭き取るだけです。
ワックスのように塗り込みや拭き取りで汗を流す必要がありません。
最近では洗車後、濡れているボディにスプレーするだけという、簡単なタイプもあります。

撥水性が高いこともコーティングスプレーのメリット。
雨上がりや洗車後、小さな水玉がコロコロと落ちる様子は気持ちがいいものです。

ただし、これらの効果は商品価格による格差が大きいと想定してください。
やはり安価なタイプはボディ保護や撥水効果、持続性が劣ります。
また高価なタイプの中には、しっかり拭き取りをしないと効果が薄れるタイプもあります。
予算や手間にかかる時間を考え、愛車に最適なタイプを選びましょう。

コーティングスプレーのいろいろなデメリット

撥水効果や手軽さ、持続性でメリットがあるコーティングスプレー。
反面、デメリットもあります。

たとえば艶。
最近、ポリマー系でも艶効果の高い商品が増えていますが、高級ワックスには劣ります。
それから作業工程。
スプレー式と言ってもDIY用なので均一に噴霧できるわけではありません。
ワックスであれば塗った後、乾くと白くなるので塗り残しを確認できます。

しかしポリマー系コーティング剤は透明なので、塗り残しが分かりにくいという欠点があります。
コーティング剤が吸着した後、塗り残しが見つかるとコーティング効果も半減。
その部分だけ後から噴霧すると塗りムラが発生する場合があります。
ボディ全体へ均一に噴霧するためには、少々コツが必要ですね。

コーティングは化学成分を吸着させるので硬い被膜ができるというイメージを持つ人もいます。
これはプロの施工だけに当てはまる事実。

コーティングスプレーでは柔らかい被膜しかできません。
これもデメリットのひとつ。
ブレーキダストや油分を含んだ鉄粉などが付着しやすいため、洗剤を使った洗車が必要です。
もちろん、小さな飛び石によるボディ保護も期待はできません。
中には化学成分特有の強い匂いを発生させるタイプもあります。
ポリマー系コーティングスプレーはデメリットも踏まえた上で使いましょう。

ガラスの硬い被膜を作り出すプロのコーティング

ワックスとコーティングスプレーを比べた場合、耐久性と手間ではメリットがあります。
しかし肝心の艶部分ではワックスが上。
こうなると、どっちを選ぶかは好みの問題にもなってきます。
「コーティングってたいしたことないのでは?」と疑問を持たれる人もいるでしょう。
確かに市販品の中にはワックス以下の効果しかないコーティングスプレーもあります。

しかし、プロ施工によるコーティングはまったくの別物。
主成分はガラスなので硬い被膜を生成することができます。

ちなみに一般のコーティングスプレーにもガラス系と表示されているものもあります。
それは単にガラス繊維やケイ素が含まれているというだけ。
ガラスコーティングはすぐに固まってしまうため、DIYで行うのは困難なのです。

その点、プロの施工は専用の溶剤と器具を使うので、安心の仕上がりが約束されます。
しかも持続性は約3年。
コーティングスプレーと違い、深い艶と輝きを与えます。

もちろん、硬い被膜は汚れに強いだけでなく、小キズも防御。
最上級のコーティングを望むなら、プロによる施工をおすすめします。